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世界的な感染拡大と株価暴落

今朝(日本時間昨日22時過ぎ)米国株式市場でダウ工業株30種平均は急落し、前週末下げ幅2000ドルを一時超えました。S&P500指数は取引時間中に下落幅が7%を超えて、すべての株式の売買を中断する措置(サーキットブレーカー)が一時的に発動。15分間売買が停止されました。昨日の日本市場では、日経平均株価が1200円を超えて下げて本日も続落予想です。

こうしたマーケットの急落は、複数の要因が重なって起こるものです。

 

1. 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大

先々週(229日)に政府は公立の小中高がストップすると公表。3月から新型コロナウイルスの拡大の認識を改めることになり、様々なイベントが中止延期になり、企業もテレワーク推進、時差出勤などが起こります。このときに日経平均株価は大きく下げます。この際には、まだ米国本土(または欧州)での新型コロナウイルスの感染拡大は報じられていませんでした。

 特に米国では、インフルエンザの感染が拡大していて、(実は新型コロナウイルスの影響があったのではないかと考えられています)米国の医療保険事情があるのですが、日本では風邪など体調が悪くなると、みんな病院を受診しますが、これは「国民皆保険」という制度があり、3割負担でいいので病院にいくわけです。しかし、米国は保険に入っていない人も多く病院を受診すると多額の費用がかかります。そのため、病院を受診せず自分で直そうとしている人が多い。

今ここにきて米国はNY州など緊急事態宣言をし、新型コロナウイルスの感染拡大に警笛を鳴らし始めましたが、実態はすでに(日本よりも)かなり拡大している可能性があるかもしれないということです。

こうしたことは、人・モノの行き交い、経済活動に制限をされることになるので、マーケットにとっては当然悪材料です。

 

2.新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、FRBの緊急利下げ

マーケットを揺るがす大きなショックが起こるときには、当然、財政を握る中央銀行も指をくわえてみているわけにもいきません。

何かしらの対策を打つのですが、日本(日本銀行)や欧州(ECB)には、ほとんどできる策は残っていません。今週ECBはマイナス金利の深堀などしてくる可能性はありますが、日本は口先介入でした。

 簡単にいうと、こうした事態に備えて、中央銀行は対策手段を持っておきたいです。FRB(米国)で、今回も緊急利下げという対策を講じることができました。

これはFF金利(短期金利)を0.5%下げるというわけですが、逆イールド(債券の長いものと短いものの金利が逆転すること)がが起きてしまっていて、米国10年債利回りは一時0.5%を割れています。こうなると、日米金利差縮小ですから、為替は円高ドル安要因。円ドル相場はそれまで1ドル=106円水準だったものが一気に1ドル=102円の水準まで落ち込みます。

また、もともと新型コロナウイルスの感染拡大というリスクオフムードであり、今の市場の懸念は米国本土の感染状況ですから、これは「ドル売り」なのです。それは、日本米国間でいうと「ドル売り(ドル安)、円高」になる。なので、円高進行に拍車がかかります。

外国為替の円高ドル安というのは輸出関連企業の業績にダイレクトに影響しますので、日本市場では嫌気されてしまいます。これが日本株のさらなる下落につながりました。

 

3.原油価格の急落

こうした新型コロナウイルスの感染拡大で先行き不透明感がある中、先週末開かれた石油輸出国機構(OPEC)で、加盟国であるサウジアラビアと非加盟国であるロシアとの対立で追加減産協議が物別れ。サウジアラビアが増産する姿勢を見せると供給過剰が懸念されて、原油価格が一気に下落します。原油先物は一時1バレル=27ドル台と34%下落し、これは20089月の金融危機以来の下げ幅です。

原油が下がると、どうして株価が下がるのでしょうか。

もちろん新型コロナの影響もありますが、そこだけではありません。普通、原油(ガソリン)が下がると私達の消費活動ももちろんですが、小売り価格などにはそのモノの運送にかかる費用(原油価格)も乗っているので、価格が下がるということは、どちらかというと恩恵がありそうです。

ですが、単純に原油価格がさがるとサウジアラビアとか産油国(石油輸出国)は、価格が下がるので困ったことになります。このマイナスを埋めるためにどうするか?彼らは莫大な資金を持つ機関投資家の要素も持っていて、保有する株を売って金融市場からお金を引き上げる可能性があるのです。原油価格というのは、下がりすぎてしまうとマーケットにはいい影響がなく、一定水準で保つことがいいのですね。

信用リスク(個人も法人も国)もこの数年で大きく借入れを増やしていますので、信用が低い先のデフォルトも懸念され始めたということです。

大きくはこうした状況が様々に関連し、複次的に今の状況が生まれています。まだまだ途中です。

 

※コロナウイルスについて

日本は爆発的に増えていない見解、維持を発表しています。イタリア、アメリカ、中国、イランの順で死亡率拡大している国もあります。

先日ロンドン在中しましたが、誰もマスクしてませんでした。海外はマスクの文化はありません。アメリカも同じ、イタリアはハグを当たり前にします。普段は良いと思いますが、ウイルスとなると濃厚な感染率をUPさせてしまう要因になり得るのかもしれません。

日本は、沢山の人がマスクやうがい手洗いを心がけています。中国、韓国のように他人同士が箸をつ付き合う習慣もあまり無いです。普段の生活や危機管理というのも、大流行ウイルスの際には特に影響を与えるのかもしれませんね。

皆さんが普段の生活に戻れますように。  早い収束を願います。

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